魔々勇々 第15話 「おかあさんといっしょ」 感想 考察

魔々勇々

今週はシンプルに泣いた。

「今から君たち魔王4人を〜」
送り込まれたのは全員魔王だと判明。
予想が当たってた。
一人くらい勇者がいるとも思ったけどなあ。

「死に関する願いは何でも叶えてあげられる」
前回も思ったけど、〝死屍累々〟強すぎるよ。何でもあり感がすごいよ。
エヴァンはどうやってエンドと戦ってきたの?
〝永遠の命〟とかドラゴンボールかよ。
エンドは紋章術を使うとその効果に対してそれ相応にリスクや制限があるだろう。
そうでないと、エヴァンの紋章術の全貌はまだ明らかになってないが、勝てるとは思えない。
今回明かされた死屍累々で可能なことで一番気になるのは〝死者の蘇生〟。
これだけで色々妄想してしまう。
グリシャは死屍累々で生き返ったとか。
先代勇者ハロハロが生き返ったりしないかな。
ナルトの穢土転生みたいに歴代の勇者魔王が蘇ったりとかも。
また、勇者魔王がグリシャに協力する理由にもなる。誰だって大切な人が死んでしまったら、もう一度会いたいと思う。
エリシアやラルフはアリアシアやウルビダを生き返したいと思うのかな。この2人が寝返ることは絶対にないけど、もしラルフがコルレオよりも先にグリシャと出会ってたら危なかったな。

「ちょっと殺し合いをしてもらいます」
「相応のリターンがあるよ」
「紋章を回収するときに使うから持っといてね!」
「コルレオ君の伸び代旨旨なので」
「じゃ!よろしこ!」

グリシャの軽さがクセになってきている。それでもいつかコイツが追い込まれて、マジになるの楽しみ。
教壇に立っているせいで、前話の「今でしょ」と合わせて某予備校教師を意識してしまうよ。
確かにコルレオはエンドと渡り合ったエヴァンの紋章術をもっているのだから伸び代はめちゃくちゃある。エンドやばい→エヴァンもやばい→コルレオもやばくね?ってなってる。

ケモノ娘はミネルヴァと対峙。
弁当野郎は職員を倒して暴れ回ってる。
この2人もとても気になるけど、今週は一旦お預け。
ケモノ娘にワクワクしている。

紋章術「飄雹凝凍」
氷使いは大規模かつ高威力の攻撃をもっていてシンプルに強いよね。青キジや轟を思い出す。
水気のある場所ではほぼロスなしで能力を発揮できるとのこと。今週の呪術廻戦でも氷凝呪法の裏梅が配水管を凍結、破裂させて水を撒き散らし利用しようとしていた。
周囲の温度を下げるのは普通は防ぎようがない。雨季が続く元の世界では能力を発揮し続けて無双できるから人の時代が終わってしまったのも納得。
コルレオの世界でも雨は降るだろうから、その時に戦うことになったらかなりの難敵になる。ただ、ラルフがいるから大丈夫だと思う。今の戦いにもラルフが駆け付けてくれれば、戦況はかなり有利になる。
能力バトルの醍醐味である能力の相性を考える戦いはおもしろい。
「面白い部屋を見つけてな」
「何ですかここ!?室内に池・・・!?」

エリシアもクプトゥラも元の世界にプールがないからこその反応になってる。

「クソ尻軽が」
尻軽と言うとエリシアが元の世界に男がいたイメージになるけど、それはありえない。何か誤解されるような出来事がエリシアの過去にあったようにも思えない。単に、連れがいることにムカついただけだろうか。
最後のページを読むと、クプトゥラも何か訳ありのようだ。彼女を呼んでいるのは夫と息子っぽい。
もし家族がエリシアの先代勇者とかに殺されたりしていたら、グリシャに協力する理由になる。クプトゥラに敗けられない理由があって苦しい話だな。エリシアに恨みがあるようにも見えるけど、勇者という理由だけか。
あとクプトゥラって何歳かな?元の世界は雨季が50年以上続いているとあったから、50歳以上!?と思ったけど、雨季が始まった時期と彼女が魔王になった時期が同じかはわからないからそうとも限らない。20代でも子供がいてもおかしくないな。

「俺達二人で あいつを止めるぞ」
このセリフを読んだときハッとさせられた。「倒す」ではなく、「止める」。魔々勇々は「勇者が魔王を倒す」のでなく、「勇者と魔王の共生を目指す」話だと改めて思わされた。(まあ、相手は急襲してきたわけだからいきなり「倒す」とはならずに「止める」となっても違和感ないけどね)
コルレオは魔王も仲間にすると言っていたが、本当にできるのか?
エリシアの世界の勇者と魔王の確執を解消するのは困難に思える。エリシアだけでなくクプトゥラも大切な人を奪われていたとすると、平和な時代を生きてきた部外者のコルレオが何言っても無駄に感じる。
「(前略)ミネルヴァを殺していい理由には絶対にならない」
確かにコルレオはラルフを説得できた。それも正論だった。けど、ラルフは勇者だしウルビダ姫の存在が大きかった。全員がコルレオに納得できるとは思えない。

今回、エリシアの世界は人の時代は終わったつまり魔人の時代だと明かされ、人が辛い想いをしているのがわかった。逆に、人の時代となり魔人が苦しむ世界もあるのではないだろうか。実際、1話でコルレオの世界では58代目の勇者が人の時代を創ったとある。
アリアシアが「次の魔王も同じことを考えるんじゃ無いかな」と言っていたが、争いが絶えない理由は憎しみの連鎖だ。ハロハロは命を賭してその連鎖を断ち切った。
やっぱり、人と魔人が共生する時代を創った勇者ハロハロは偉大だ。
そして、コルレオも同じことを実現しようするのは、彼も守るために戦う勇者だからだろう。
少し話が逸れたが、今週話の話に戻そう。

「いい?エリシア 大きくなったら絶対…心が温かい…エリシアの一番大切な人を見つけてね どんなに辛くても 逃げたくても それでも!!って人をね」
アリアシアのセリフはどれもすっごく温かく感じる。娘への愛情に溢れている。
「母の声が好きだった 一人じゃないと実感できるから」
これはエリシア エリシアと何回も名前を呼んでくれたからじゃないかな。娘に優しく語りかける様子にエリシアが母の声が好きだったのがよくわかる。

「私おはあはんが一番大事だいひだよ」
まず、幼少期エリシアが可愛いすぎる。幼少期ミネルヴァもだけど、子供の姿が愛おしくてたまらない。
そして、このエリシアの言葉を聞いてのアリアシアの笑顔。一番大切な人を見つけてねと言ったのに、自分のことを一番大事と純情で真っ直ぐな目で言ってくれた。
嬉しさが込み上げ笑を浮かべ、たまらず大きく笑う。本当に本当に嬉しかったのが伝わる。

「エリシア生きて 生きて いつかあなたに 生きる甲斐が見つかりますように」
アリアシアの娘の幸せを願った最期の言葉とエリシアの絶望の表情。
母がいたから一人じゃなかった。雨の中一人で歩くエリシアが切なくて切なくて…。リスのつがいと鳥の親子の描写でエリシアの孤独がより悲しくなる。
3話の蛇口と雛鳥と同様に些細な描写で感情の変化や心情を際立たせて、キャラに感情移入させたり物語への没入感を高めたりするのがうますぎる。

母の最期の言葉は5話で既に出てきている。
今週話は母の最期、その願いを前にしてエリシアは悲しみや絶望に飲み込まれる。
一方5話はコルレオに出会い生きる甲斐を見つけて、母の願いが叶い希望を感じる。
同じセリフの登場だが印象がガラリと変わる演出力が半端ない。
5話の母と重なるコルレオの姿と母のモノローグでエリシアの心情は十分理解できる。
それでも週話の回想を踏まえて読むと、エリシアがコルレオに対して想いを寄せる理由の解像度が格段に上がり、より感情移入してしまう。
震えるくらい怖くても立ち向かうコルレオに母を重ねて、生きる甲斐を見出すことができた時の勇気づけられたエリシアの気持ちがめちゃくちゃ分かって、胸が熱くなる。

「雨の音が嫌いだった 母の声が遠のくような気がするから」
ここの「ザー」という効果音で表現された雨。
無機質な感じで冷たくて、それと同時に母を失ったエリシアが混迷の中にいるのが分かる。
「お母さん」と母を求めて呼ぶ声も悲しみの雨にかき消されてしまっているのが切ない。

「私見つけたよ」
雨で、死で、好きだった母の声は聞こえなくなった。
でも、もう大丈夫。
「どんなに辛くても 逃げたくても それでも!!って人」を見つけたから。
エリシアの笑顔に感々涙々。
その前の「お母さん!」という呼びかけでも涙腺が緩む。前のページと対比になっているが、エリシアの声はきっと母に届いただろう。彼女の心は晴れたから、雨にかき消されることはもう無い。

「コルレオ君に 触れるな」
今までずっと逃げ続けてきた。
けど、大切な人を守るために恐れず戦う。その鬼気迫る表情と共に繰り出した渾身の一発に痺れた。
10話で受け身まもられるのままでいたくない」と言った通り今度はエリシアもコルレオを守るために戦う。この日がエリシアが「勇者になった日」なのではないだろうか。

コルレオ「大丈夫か?エリシア」
エリシア「うん!!」

このシーン超絶かっこいい!!
一人の時は逃げ続けていた。けど、二人なら立ち向かえる。お互いを守るために。
主人公とヒロインの共闘最高!!
クプトゥラの氷なんて全部解けてしまうくらいアツいよ!!
コルレオの「大丈夫か?」という声かけやその佇まいの凛々しさに成長を感じる。

サブタイトル「おかあさんといっしょ」
有名な子供向け番組からきてるよね。
母と離れ離れになってしまったエリシアの「おかあさんといっしょ(にいたい)」という想いが込められているのかな。雨の中母を呼ぶ姿がまさにそう。
あとは「(コルレオが)おかあさんといっしょ」という意味もあるか。生きる甲斐となったコルレオが母の「皆が仲良くできたら一番良いに決まってるの」と同じような考えをもっていたり、5話の震えながらも立ち向かう姿も母と重なったりした。5話の「お母さん(の手)と一緒」という意味も含んでそう。

まとめ
今週は「私見つけたよ」の笑顔で涙腺がやられました。
エリシアの過去について明かされるとは思っていたが、予想以上のおもしろさだった。
過去が過去で終わらずに今戦う想いに繋がっているからカタルシスを感じられる。
キャラの言葉に気持ちがめちゃくちゃ乗っている。そして、それが戦闘にも生きているからバトル漫画として最高に面白い。

来週はクプトゥラが深掘りされるか。それとも、他の対戦が見られるだろうか。
個人的にケモノ娘が超気になっているので、そこを早く見たいな。

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