魔々勇々 28話 「羽化」 感想考察

魔々勇々

サブタイトル「羽化」
最初見た時の衝撃は過去一だったかも。
何が羽化するのかとか、どんな意味があるのかは全然分からなかったんだけど、なんかヤバいってなった。

グリシャ?

エンドに「エヴァンが死んだ」と伝えに来た人物はグリシャなのか?
「やあエンド!」はグリシャっぽいけど、「死こそが愛だ」の重い感じのセリフはグリシャっぽくないような気もする。んーけど、相手を煽ったり唆したりする言葉はいつも的確だったから今回もグリシャのような気がしてきた。

「エヴァンは死んだ!!」
これ本当?
最初読んだときは、嘘でしかないと思ったんだけど、ツイッターをちょっと見たら本当だと思ってる人もいるっぽくて。自分は1話でエヴァンが生きてたから嘘だなと安直に思ったんだけど、本当の可能性もあるな。

というか、なんでこいつはエンドとエヴァンの関係を知ってるんだ?

エンド

「その声…たまに聞こえてたのってあんたか…?」
なんと6話でコルレオを呼んでいたのはエンドだったと判明。
これは予想外だった。
死屍累々を通して繋がっていたということか?

「たった1ヶ月 たった3800と少しの犠牲で 私は生まれてしまった」
エンドの〝母なる紋章〟は紋章を持つ子供を殺し続けることによって人工的に生み出されたものだった。
以前私は、エンドは死屍累々を使い勇者を殺し続けて紋章ガチャを引いていたから、同じ世界の勇者と魔王がどちらも母なる紋章をもっていると思ったりしていた。
けど、ガチャを引かれ続けていたのは、まさか魔王の方だったとは…。
しかもガチャを引いていたのは、同族の魔人。倫理感がぶっ壊れているが、勇者側に母なる紋章が発現してしまった以上、それに対抗するには他に方法がない。
グリシャはエヴァンの世界で母なる紋章が2つ生まれたことを奇跡だと言ってたが、全く奇跡なんかじゃなかった。

「たった」。
犠牲になった子供の数3800は「たった」と言えるほどの数ではないだろ。
けど、それほど〝母なる紋章〟は希少であるということ。
そして、犠牲になったものが小さく見えるほど死屍累々は恐ろしく強大で悲しい力。

死屍累々によって積み上げられた屍の数に比べたら、それが生まれるための犠牲は大したことなかったのだろう。
「人工的に作り出された〝母なる紋章〟もには全てを不幸にする負の力が宿ると言い伝えられている」
そりゃそうだよな。
多くの犠牲の末に生まれた者の感情に光はない。その感情に呼応して破滅的な力を呼ぶ。そこに幸せが存在するはずない。

エンドは脱走して辿り着いた花畑でエヴァンと出会う。
彼女の目の前に広がる光景は美しく、そしてそれが映る彼女の瞳もまた綺麗。
もうその花畑も無くなってしまったのだろうと考えると切ない。

「それでも俺は抗いたい 俺は俺の力を何かを守るために使いたい」
これがエヴァンが1話で言った忘れていた、忘れようとしていたもの。
1話で流れたエヴァンの涙の輝きをここに感じた。
悲しいことに「私も…」と言ったエンドによって、その雄志も破壊されてしまった…。
1話では自分のことを「私」と言ってたのが、最後は「俺」になったんだけど、今回も俺って言ってるんだよな…。

羽化
明かされたエンドがエヴァンに執着していた理由。
エンドにとってエヴァンは最初は純粋な心の支えだったが、拷問に耐えた十数年の間に歪んだ愛を募らせ続けてしまった。
牢の中で横たわりながら呟く「エヴァン… エヴァ…」に、異形化してしまった後のエンドの叫びの心根を感じる。
そして、報されたエヴァンの死。
「死こそが愛だ!!!」
この言葉で羽化してしまった。
エヴァンの愛を求めて、全てを不幸にする負の力を使ってしまった。
拷問されてもその力は使わなかったのに。
抗っていたのに。
何かを守るために使いたかったのに…。

「私は…私の存在は全てを不幸にしてしまう」
「生まれて…こなければよかった…」

辛い。胸が締め付けられる。
〝誰かのために泣ける人は優しい人〟
エンドは優しい子なんだよ。

コルレオ

「コルレオ君…君は僕と同じ目をしてしている…してしまっている…」
「してしまっている」が不穏。
ハロハロにはかつては異常な善性ゆえに失敗したことでもあるのだろうか。
あるいは平和な世界を実現するために自分の命を引き換えにしてしまったことに対して、悔やむ部分があるのだろうか。
コルレオも自分の命を顧みない行動に出そうだが…。

今回コルレオは死屍累々で蘇生されており、エンドが死ぬことによりコルレオも死んでしまうことが明らかになった。
エンドかコルレオが世界中の人々を蘇生したり治癒したりして、コルレオ世界は元通りになるかと思ってたけど、死屍累々の効力が無限でないならどうにもならないんじゃないか??
奇々改戒でなんとかなったりするのだろうか?

今回のエンドの最後のセリフ、以前コルレオも同じようなことを言っていた。
1話で「生まれてこなければよかった」と言いかけ、遊園地でサディコにお前が犠牲になれば良いと突きつけられたときに「俺の存在が誰かを不幸にし続ける」と。
エンドに比べればコルレオの苦悩は小さいというか、深刻ではなかったかもしれないが、次回エンドにかける言葉に何か繋がるものがあるかもしれない。
次回エンドの落涙の理由を知ったコルレオに期待。エンドを救ってほしい。

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