「ぎゅっ」
「わっ」って驚くエリシアが可愛い。手を握られたところで自分もドキッとした。
一方のコルレオは、エリシアに炎を纏わせるために集中しようとしてるのがいいね。
「拠り所が生きているお前らには…」
何度か描かれてるクプトゥラの狂気じみた怒りの表情、鬼気迫る目。彼女が憎しみに囚われているのが伝わる。
クプトゥラの目的は、子どもの蘇生だと判明。
個人的には、クプトゥラの大切な人を生き返らそうとする想いは、正しいかどうかは置いといて否定はできない。たとえそれが、他人を犠牲にするものだったとしても。
「現実から逃げるな 卑怯者」
これはコルレオには言えないセリフだ。
母を失い生きがいがなくても、生き続けて現実から目を背けなかったエリシアだからこそ言えるセリフ。
正直コルレオに言われたところで、何一つ響かないと思う。
自分も大切な人を亡くし現実と向かい合ったエリシアには説得力があり共感できる。
クプトゥラの想いは否定できないと先に述べたが、コルレオではなくエリシアが言葉をぶつけたことで自分も主人公サイドに立つことができた。
「俺はど平和な世界でのうのうと生きてきた」
前回の感想で私は
コルレオは魔王も仲間にすると言っていたが、本当にできるのか？
エリシアの世界の勇者と魔王の確執を解消するのは困難に思える。エリシアだけでなくクプトゥラも大切な人を奪われていたとすると、平和な時代を生きてきた部外者のコルレオが何言っても無駄に感じる。
と言っていたが（無駄に感じるは言い過ぎかも）、コルレオ自身が一番わかってたね。
それを踏まえた上で、
「だけどこれは断言できる 自分の為に他人を傷つける事が正しい訳がない」
コルレオのこの説得の言葉が好き。
ラルフの時の「ミネルヴァを殺していい理由には絶対にならない」も同じで、個人の正義を押し付ける感じでもなく、ただ真っ直ぐで心に突き刺さる言葉なのが良い。
「お前なんかよりエリシアの方がずっと強ェんだよ」
コルレオがエリシアのことをちゃんと見てきたから言えるこのセリフにグッときた。
また、その後のページのエリシアの手が震える様子にコルレオが気づいている１コマでこのセリフの厚みが増してる。
「殺し合いの連鎖を止めるのは対の勇者である私の責任です」
「クプトゥラは私が止めます」
震えながらも立ち向かおうとするのは、お母さんの手と一緒だしコルレオとも重なる。
母の想いや考えを受け継いで、自分の世界の魔王は自分が止めると自ら決意して言い切ったのが最高。
コルレオがクプトゥラを止めるのは難しいんじゃない？と思ってた中、エリシアが既に決意を固めていたのが良かった。
正直なところ、エリシアをまだ甘くみてた部分があったな。
今週はエリシアの勇む心に惚れた。
前回の感想でコルレオのセリフの「止めるぞ」という部分に言及した。
「俺達二人で あいつを止めるぞ」
このセリフを読んだときハッとさせられた。「倒す」ではなく、「止める」。魔々勇々は「勇者が魔王を倒す」のでなく、「勇者と魔王の共生を目指す」話だと改めて思わされた。（まあ、相手は急襲してきたわけだからいきなり「倒す」とはならずに「止める」となっても違和感ないけどね）
今回エリシアも「クプトゥラは私が止めます」と言ったが、その前のセリフから負の連鎖を断ち切るために戦っていることがわかるので、「止める」というのは意識された言葉だと思われる。
ラスボス（今のところ一応グリシャとして）以外の敵キャラとは対立して戦いはするけど、最後は仲間にしようとするのは新しくておもしろい。主人公が敵側と和解しようとする漫画はあるけど、ここまで敵を味方にしようとする漫画は珍しい。平和を目指したナルトでも暁やマダラは動機はあったにせよ悪役として倒すべき存在だったし、鬼滅でも炭治郎は慈悲をもって鬼に接するけど結局は殺してしまう。
普通の漫画ならクプトゥラは敵討ちとなる存在だが、魔々勇々は違う。
まだミネルヴァ以外の魔王を仲間にしたわけではないからなんとも言えない部分はあるけど、そこら辺がニューノーマルバトルファンタジーだな。
「なナなナ何言ってるんだお前！！」
「でも…いつもより男らしくてカッコ良かった…かも…?」
今週は照れるエリシア可愛いすぎた。
今の2人の感じが続いてほしい気もするけど、恥ずかしさを乗り越えた先も早く見たい。
「だってコルレオ君が俺に従えなんて言うハズないもん」
この2人の以心伝心、尊い。
ミネルヴァにヒロインの座を奪われるかと、一時期思ったが杞憂だった。
間違いなくエリシアが正ヒロイン。
まとめ
今週はとにかく「勇者」エリシアがカッコよくて、可愛かった。
クプトゥラを一旦止めることはできたが、これで彼女がまだ子供の蘇生を諦めるとは思えないのでこの後どう説得するか。
最後クプトゥラは気を失ったからすぐに対話はできないので、来週は場面展開して他のキャラの戦いが描かれそう。
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