魔々勇々 第23話 「信じて送り出した自慢の息子」感想考察

魔々勇々

最初のページ、サディコの黒子の位置とは逆アングルなのにも関わらず、ばっちり見えるように描かれてる黒子には林先生の執念を感じた。

「少なくともあと2つ…!!新たな能力を引き出してもらう…!!」

サディコのこのセリフからして、母なる紋章は複数の能力をもっているのが普通なのか?
エンドはワープする能力が死屍累々に含まれるか微妙だけど、死屍累々1つしかもっていないように見える。それとも、他にも能力があるのか?
まぁ今回のサディコは単に母なる紋章で複数の能力をもつのに4つだと少ないと考えているとも捉えられるけど。

〝歴代勇者録〟 

コルレオはそのでっかい本どこから出した笑??
今回のこのギャグシーン好き。魔々勇々の中では一番気に入ったかも。
遊園地のときとか、マママが言ってたように少し冷めた部分があるコルレオが興奮気味なのも良い。
付箋貼ってるのもオタク感を増してる。
サディコも前回は哀愁を漂わせながら「勇者とは何だと思う…?」って言ってたけど、勇者大好きなんじゃねーか!勇者が好きだからこそ、自分の勇者としての在り方に悩んでいたのかもしれない。母なる紋章にも詳しそうなのはオタクだったからかな。

そして、その本欲しい。
歴代の勇者105人以上全員知りたい。
24代と41代の繋がりとかめっちゃ気になるじゃん。その有力な説教えて。
歴代魔王録もあるなら、それも欲しい。

105人というのはビビッペが101代目で、1話の魔勇歴史博物館にはハロハロの像の前には3人の像が描かれているので、少なくとも歴史上に勇者は105人(コルレオ含めたら106人)いるから。

本に描かれてる紋章の角度が単行本と違う。
紋章が✕ではなく+の向きで描かれてるところは原作内ではなくて、タイトルのロゴの魔の文字の中くらい。
タイトルロゴやコミックスのデザインは普通作者じゃなくてデザイナーが作ったものだけど、先生のOKは出てるはず。
どっちでも良いのかな。

紋章術〝故孤零霊〟

紋章術を発動する時に組む手が特徴的。
「故孤零霊」の漢字の意味には「ピンと」来ない。
「故」は故人とかを意味して、「霊」はそのまんまだろう。
問題は「孤」と「零」。1→0で死を表してるとか?
よくわからないな。

能力の強さはポポロポとビビッペを呼び出せてる時点で他の勇者魔王とは一線を画してる。
前々回使ってたポルターガイストは物だけでなく、自分にも他人にも使えて、コルレオの浮遊の上位互換。

サディコに浮かされて「なのよ」だけ言ってるモニカ可愛い。

ポポロポ・ビビッペ

この二人が、魂の模倣とはいえ登場したことにはめちゃくちゃ興奮した!!
1話で名前が出てきたからにはいつかコルレオに関わってくるかもしれないと思ってたけど、どうやって関わるのか全く読めなかったし、まさか今回の修行のために登場するとは!!
紋章術〝瓦羅羅愚羅羅〟 〝津々浦々〟
紋章術使える!!??
「マジで!!!???」って読んでてが声出た。
そして、めっちゃ強そう!(というか実際強かった)
サディコがワクワクしながら浮いてるけど、私の心も跳ね上がってた。
どちらも攻撃の規模が桁違い。
ラルフの炎も含めて、ワンピースのロギアみたいな能力はやっぱ強いことに加えて派手でカッコいいな。(グラグラ、振動はパラミシアだけど)
しかも、多分だけど生きてた頃はこれよりも強かったんだろ!
綺羅綺羅星が大したことないってなるのも納得だわ。
ビビッペが建物を振動させたときの効果音がその紋章術に合わせて「ぐらら」だったり、ポポロポが津波(?)を発生させた時のコマとその攻撃をコルレオが受けるときのコマが繋がってたりするのは林先生の意匠。
ビビッペがコルレオの頭を掴んで攻撃するところなんかは、頂上戦争で白ひげがロンズ中将を一捻りしたのと似てる。
津々浦々は飄雹凝凍に対して圧倒的に不利だな。

瓦羅羅愚羅羅はミネルヴァの綺羅綺羅星以来の6文字。
ミネルヴァの世界は勇者がいなくて特殊なのかと考えてたが、紋章術の名称は語感や語呂を優先して、文字数に関してはあまり縛りはないっぽいな。

コルレオの世界には紋章術が存在したということで、マママの先代魔王も紋章術をもってたと思われる。パンネロの修行やんちゃ相手が紋章術持ちだったなら、パンネロの異常な強さにも少し納得できる。
(1巻のおまけページのパンネロの説明に「マママの先代魔王と剣の技量を高め合いました。」とある)

ハロハロ

「すまないハロハロの魂は読み取れなかった」
これは全読者が気になったはず。

まずコルレオの世界に紋章術が存在しない理由について。
まぁ私のしがない推論ですが、ハロハロが紋章術を用いて紋章術の存在を残されてた情報や人々の記憶ごと消したからだと思う。
コルレオが紋章術を使えないのは目的意識がないからと最初思ったけど、情報が全くないのはおかしい。
紋章術の力を最大限使って世界から紋章術の存在を消す代償として、ハロハロは自らの命を賭す必要があった。
命を消費することで通常ではあり得ない力を発揮できるのは、1話でエヴァンが自分の命と引き換えにコルレオを治癒した場面で描かれてる。

サディコがハロハロの魂を読み取れなかった理由としては、
①まだ生きている。
②グリシャがすでにハロハロの魂を呼び出している。
③コルレオの中にいる。
④何かに縛られている、封印されている。

①はツイッターで見かけたのだけど、コルレオに紋章が発現しているからないかな。ハロハロの得体はまだまだ謎だから可能性は0ではないけど、個人的には低いと思う。
②は、今のところグリシャとハロハロの繋がりが見えてこないし、そもそもエンドの力はまだ復活してないはずなので、これはなし。

③これが一番可能性ありそう。
前々回のサディコが言った「君の中には別の魂が混じっている」の別の魂にはハロハロが含まれていると思う。
6話で「ねぇコルレオ」と声をかけていた人物もハロハロかな。今までは歴代の勇者の内の誰かの可能性もあったけど、今回歴代の勇者の中でもハロハロは特別だと分かったから、今のところハロハロしかいない。「ねぇ」という言葉遣いがハロハロかは微妙なところ。
ハロハロがコルレオの中にいる理由は、紋章術の存在を消した副作用というか代償だったり今後勇者に紋章術を発現させないために紋章に留まってたりしてるとかかな。
(これは考えすぎだと思うけど、エヴァンの世界の人物(アイリーン、シン、グリシャあたり)が元エヴァンの紋章(今のコルレオ)に入ってることもあるか。)

④これは③とほとんど同じだけど、コルレオの中にいないパターン。紋章術を消した副作用や代償でハロハロの魂にロックが掛かっているような状態でサディコはアクセスできなかった。
③で説明したように、前々回のサディコや6話の誰かのセリフからハロハロがコルレオの中にいる可能性はあるけど、その理由は曖昧。
紋章術を消した副作用や代償だとしても、次世代の勇者の中に留まる理屈がわからない。
勇者の紋章術を止めるためだと考えたが、じゃあ魔王は?と思った。
ハロハロについてはまだまだ情報が足りないので③プラスαで考えてみた。

エリシア&モニカ

モニカが1ページ目でエリシアの腕の中にいてその腕を持ってたり、コルレオを見守るところでエリシアの膝の上に座ってたりと、エリシアに懐いてて可愛い。
慣れない電話に出て言葉遣いがおかしなエリシアとそのエリシアの頭に抱きつくモニカ。
このときのドキムネは10話のサブタイを想起させる。
遊園地編からこの二人の場面は読んでて楽しい。
カクカクシカジカからは林先生の遊び心を感じた。

マママ&エリシア

マママにコルレオからの手紙が届いててよかった~。
手紙を持つマママの手と受話器を持つエリシアの手が重なる構図が素敵。
奮闘する息子の頑張りを聞いて嬉しさのあまりだろうか、涙ぐむマママ。

「どうか隣で支えてやってくれ あの子の意志を尊重してやってくれ…」

このセリフでコルレオが中央セントラルへ発つ前のマママのセリフが思い起こされた。
「お前の意志と夢と憧憬を 行動と選択と生き方を束縛していたのはワシだ お前はもう自分の行き先を見据えているというのに」(3話)
今までは平和でコルレオを縛りつけてしまった。
これからはコルレオが選ぶ人生を大切にしたい、大切にされてほしいという思いからの「あの子の意志を尊重してやってくれ」という頼み。
それを聞いて「…はい」と返事をするエリシア。
アリアシアを思い出したのは、息子を想うマママに〝母〟という存在の温かみを感じたから、あるいはかつての自分を支えてくれていたのがアリアシアだったからだろうか。
また、「私がコルレオ君の生きがいになるんだ」(10話)と決意したエリシアにとって、今回のマママからの頼みは励みにもなったんじゃないかな。それもあって、その後一緒に修行したのでは。

過去に描写された心情と繋がっているマママの願いと、表情の動きとその間に挟まるアリアシアの1コマで感じさせるエリシアの想いが心に染み渡った。
こういう丁寧な心情描写が魔々勇々の真髄だと思う。
私はそういうところに一番惹かれて魔々勇々にハマっている。


サブタイトルは「信じて送り出した自慢の息子」
最初は息子って誰のこと?と思ったけど、コルレオのことだった。
胸にジーンときた。
けど、その後のオチよ。
「あとちょっとでイケそうなんだ ヤラせてくれ」
「あまり興奮するなよ 昨晩ヤッたばかりじゃないか…」
「私も混じりたいです!」
マママにはこんな感じに聞こえてる。
サブタイの意味が変わってしまうじゃないか。

サディコ&モニカ

「コルレオを見ていると…そんな気がしてくるの」
生贄制度を受け入れてしまっているサディコ、魔王を恨んでいるモニカ、この二人がほんの少しだけど打ち解けようとした。
主人公の影響で周りの人が考えが少しずつ変わっていくのいいなと思う。

また出た蝶!
蝶にどんな意味があるのか分からないけど、蝶が描かれたシーンをまとめてみました。→蝶まとめ

「…語尾忘れてるよ」
モニカは語尾を作ってたのか?
と、最初思ったけど、考え込んでしまって言葉が途中で止まっただけ?

修行の成果

ドッと大きな音がしてサディコはトレーニングルームに行ってみるとそこには、バラバラの泥人形、大きく穴が空いて破壊された壁、胸の部分が破けたエリシア。
コルレオはどんな能力を習得した?
1話でエヴァンが使っていた能力は
・浮遊
・治癒
・斬撃
・炎
・空間転移
・圧縮
(・紋章術の付与)
コルレオは上4つは使えるが、その他はまだ習得していなかった。
今回、攻撃系の能力を習得したようだから圧縮を使えるようになった?
泥人形や壁の破壊された状態からはそうは思えないけど。
もしかして、またエリシアが壊したのか!?
それはないので、空気を圧縮して、それが元に戻ろうとする力で爆発させたとか?ワンピースのくまの〝熊の衝撃ウルススショック〟みたいに。
それともエヴァンが見せなかった能力を得たのか。
空間転移もいつかは習得するはず。それで他の勇者魔王は元の世界に戻ると思う。

コルレオの新しい能力に注目しがちだけど、サディコが言った既存の能力の底上げにも期待してる。
治癒を他人にも使えたり、浮遊で浮き続けられたり。
これができていれば、ラルフも治せたし、観覧車のとこですぐに子供を助けれた。

紋章術の付与について。
エヴァンは死ぬ前に自分の力をコルレオに分け与えたが、これもエヴァンの紋章術に含まれるのではないかと思う。
最初は特に気にならなかったし、めちゃくちゃ強くて紋章術の扱いにも優れているだろうからそんな事もできるんじゃない?くらいにしか思ってなかった。
けど、エンドが紋章を喰って力を得たりマママの紋章を勝手に利用したりしているので、力を奪うのではなく分け与える能力をエヴァンがもっていても不思議ではないかと思う。
一応言っておくと、「私の命と引き換えに君を治癒している」と言っていたので、エヴァンが命を失ったのは力を分け与えたからではなく、コルレオを治癒したから。

「〝グリシャの拠点が見つかった〟って…!!」
もう見つかった?!
スピード感ある展開おもしろい!
エリシアがマママからの伝言をすぐに伝えなかったのは、コルレオを修行に集中させてあげるためかな。

まとめ

今回はハロハロやコルレオ世界の謎に触れられ、紋章術が一気に3つも判明して、マママとエリシア、サディコとモニカの会話劇が描かれて、新たな力も習得した。
情報開示に心情描写、主人公の成長と1話の密度が高すぎる。

ポポロポとビビッペが紋章術を使ったところは本当に興奮した。
ハロハロや紋章術の謎についても気になってワクワクする。
そして、マママとエリシアの会話劇がめちゃくちゃ良かったな。

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