魔々勇々4巻 感想・考察

魔々勇々

表紙めくってすぐのシトラス可愛すぎ!!
本編では、包帯を巻いていて服もボロボロの姿しか描かれなかったから、傷も無くおしゃれした姿が見られて最高。照れ隠しなのか帽子を深めに押さえて、頬を赤らめた表情に可憐な目がめちゃくちゃ良い。首に巻いてる花は柑橘系の花に見えるけど、どうかな。
1枚のイラストだけど、もっとシトラスのこと好きになった。
ここまで素敵なイラストを見られると思ってなかったから、ページをめくり始めてすぐにやられました。これだけで、単行本買う価値ある。むしろ実質タダになるし、おつりまでくる。

この記事では、単行本追加エピソードである32~34話の感想を中心に書いてきます。
31話(本誌掲載時29話)までの感想記事はすでに投稿してあります。
本誌最終話の31話の記事だけでも読んでくださると嬉しいです!
魔々勇々 29話 「CLOSER」 感想考察

No.32「走れ!!コルレオ」

「エンドは誰かを傷つけることなんか望んじゃいない」
自分たちの命を狙って襲ってくるグリシャを前にして、シトラスのことを考えてあげられるコルレオがコルレオ。シトラスにエヴァンの力を渡して別れるときにも、「本当はこんなことしたくないのに 誰も傷つけたくないのに」と言っていたね。
あなたは強くて優しい子。

「なるほど面白そうだ なら君はただ直進したまえ我々で道を作ろうそうしよう」
登場時から自分の興味関心で動いてきたサディコが、コルレオが示した策の妥当性だけでなく面白さも評価して惹かれているのが良い。

「こいつらはコミックス3巻で触れてるのよ」
突然のメタ発言に笑ってしまった。モニカの表情や目線とかも含めて面白い。

紋章術〝相異転々移〟
グリシャの紋章術が判明。今まで使ってきたワープの能力はエンドの死屍累々ではなく、グリシャの紋章術だったということに。
船が出てきたときの迫力すごい。
関係ないけど、やっぱりサディコの背中が良い。

「正面突ッ破!!!」
「私たちは大丈夫!気にするな」とも言うかのようにコルレオに紋章術使うミネルヴァ最高。
その後も、コルレオへの攻撃を防ぎ、かつ弁当が斬れるようにグリシャのフォーカスをずらすのも優秀すぎるって。
ミネルヴァ・ハイライトスター、名前の通り一番輝いてるよ。

教会でも遊園地でも見られたエリシアの脳筋思考がやっぱ面白い。
エスカバの口の悪さもキレキレ。

サディコが紋章術を使う瞬間に手を伸ばすところエグい。面白そうだと言っていたときの少しニヤけたような表情とは打って変わって、怖いくらいの表情に魔王としての彼女の実力を感じさせられた。
腰をやったときは、土影を思い出したんだけど、自分だけ?

エリシアが船の落下地点に走ってく瞬間のコマは俯瞰で描いてるのに、吹き出しが残ってるのおもしろい。
モニカがエリシアと一緒にサディコに落ちそうになってる船を止めてるのも良いよね。

エスカバとラルフが協力する展開や彼らの紋章術の相性の良さは予想してたんだけど、実際描かれると想像以上のアツさだった。直前の2人の会話が淡々としながらも、ちゃんと協力してるのが不器用な2人らしくて良いよな。

弁当がミネルヴァのサポートを受けながらグリシャの攻撃を斬るとき、地味にまた弁当落としてるよ。
弁当が今までに落とした弁当はこれで4つかな。

どの世界の勇者も魔王も協力したり助け合ったりしてるんだけど、クプトゥラがエリシアを助けたの本当に感動した。クプトゥラはコルレオに助けられたときには「何をしている なぜ助けた」「甘すぎる何だこのガキは」と言ってたし、さらに紋章術も左腕も失っている。そんな彼女がエリシアを助けた。2人が手を取り合う未来も必ずあるのだと私は確信することができた。

「お前が巻いた種が 切り捨てた小さな可能性が 今日お前を終わらせるんだ」
グリシャが切り捨てた小さな可能性をコルレオが見過ごさずに拾い上げたから、グリシャの野望を打ち砕くことができた。
10話で宣言した通り「勇者と魔王は協力できる」を証明した。

「それはコルレオの中に残留した意識か はたまた記憶か幻想か 精神という不完全せい故に不明 神のみぞ知る」
ナレーション神。何度でも読みたくなる。
「それ」が何かは最初わからなくて、4コマ目で「え?!もしかして、、、」ってなって、
見開きドンでこの2人同時に登場するのヤバすぎるって。
「倒せばいいのか?」と倒せる前提で聞くエヴァン。
「結構でかいなコイツ」ちょっと呑気な感じのハロハロ。今までは穏やかで包み込むような優しさに溢れてたけど、今回はその雰囲気もありながら、倒し甲斐ありそうなやつを前に生き生きしてて、読んでてわくわくする。
追い詰められたグリシャとは対称的な余裕有りまくりの作中最強格の2人カッコ良すぎる。

No.33「スタンド・バイ・マミー」

「勝って詫びよう」
ここのエヴァンがやばい。
ただ強かったり、余裕ある感じではなく、怒りに飲まれてるわけでもなく、ただ目の前の敵に集中する最中に見せる殺気、一瞬で発する恐ろしいくらいの威圧感、鬼気迫る表情に圧倒されて震えた。
今までにも、グリシャがコルレオに触れたときやコルレオとグリシャが対峙したの、コルレオを通して見られたエヴァンもやばかったんだけど、戦闘での様子はそれらの比じゃない。
そして、勝って詫びると言える強さと心意気がかっこよすぎる。

「僕は不幸者だ 可哀想過ぎる!!!」
「俺は不幸なんかじゃないよ」「俺は幸せだった」と言ったコルレオとは真逆。
おいグリシャ、お前に何があったか分からないけど、あまりに近すぎて見失ってるんじゃないか?

「悲劇なくてッ 喜劇無シ!!!!」
ここのグリシャも過去最高。
グリシャはまじで良いセリフ吐くんだよな。
「夢のために頑張るのが人ってもんじゃあないか」
「夢のない若者だね 思春期には浸かれるだけ浸かるべきだぜ」
「悲劇なくして喜劇なし」
今回のセリフに関しては、辛いことがあってその先に幸せが待っているということとして的を得ていると思うけど、追い込まれてるその状況だと苦し紛れの詭弁に過ぎないんだよな。
悲痛な表情で血を吐きながらも、姿も実力も醜い状態になっても、ねじ曲がった考えで最後まで足掻く。「俺に殺されるべきなんだ」のフリーザを彷彿とさせるくらい最高の悪役だ。

「簡単には解り合えない 当たり前だ 皆違う人間なんだ 違うから衝突する だから話し合うんだ」
コルレオの考えが本当に素敵で好きだ。
まあ、当たり前と言えば当たり前のことなんだけど、だからこそ胸のうちに留めておいて大切にしたい。

背景にこれまでの勇者魔王が衝突したりした場面のコマがあるんだけど、コルレオとエリシアは大して衝突してないから、初対面で奇声を上げたコルレオからエリシアが逃げてるところになのが笑。

「最期に・・・ 言い残すことは・・・?」
コルレオがこれを聞いたのは、最期にほんの少しでも歩み寄ることができればと思ってのことなのかな。

「全員死ね!!」
必死に抗ってたのに、最後は幼稚な捨て台詞で散っていった。
時々良いセリフ吐きながらも、どこか軽々しさがある感じがグリシャの魅力だったけど、最期までそうだったな。
一番好きな悪役は誰か聞かれたら、これまではフリーザ一択だったけど、これからはフリーザとグリシャと答える。それくらいグリシャのことも好きになった。

「代表!!」
突如元の世界に帰還する状況になり戸惑っているようなエリシアの背中を押すミネルヴァ。
最高だよ。
1番輝いてるのはミネルヴァだと言ったけど、誰かを照らすために光輝く彼女が大好きです。

「忘れないでね」
この直前の2人が見つめ合う瞬間がたまらなく好き。
「忘れないでね」の直前にエリシアの口元に注意を向けるコマからは、別の言葉を言おうとしたように思える。ベタというか、無難なのは「愛してる」とかだろうか?
それでも「忘れないでね」と伝えたのは「忘れないでいてくれれば、それでいいから」かな。コルレオがエヴァンに伝えたように。
忘れないこと、その約束がこれからもずっと彼らを繋ぎ続けるんだろうな。

Elysia’s First Kiss
誓いのキスということで良いですかね!!
このときの他の勇者魔王おもしろい。笑顔のミネルヴァは最高だし、お茶目なモニカ、驚いてるサディコ、無表情の野郎ども、意外に赤面してるクプトゥラ。
クプトゥラは結婚して子供もいたのに、結構うぶなんだなと思ったけど、朝邑式さんの解釈を読んで「これだ!」ってなりました。



コルレオとエリシアたちの別れのシーンは寂しさだけでなく、感謝も、優しさも、思い出も、愛も、希望も、無限に感じられて本当に感動する。
魔勇それぞれに変えられない過去やいまだ未解決の問題などがある中で、コルレオの影響を受けてよりよい未来を作り上げることができる希望に溢れていてよかった。
晴れやかな表情のエリシアを見て、これからもきっと大丈夫だとコルレオと同じように私もそう思える。

「解っていて送り出したんじゃないか?」
「嫌だ… 嫌だ… やっぱりつらい…」
コルレオの意志を尊重して自ら背中を押したけど、それでもやっぱりっていうマママの想いが切ない。
3話では、マママはコルレオをちゃんと送り出したはずなのに、ベッドの上で膝を抱えていた。また、コルレオが決意を胸に歩み始めた中、その逆の方向を向いてるように描かれていたのが気がかりだったけど、その意味がわかった。このときから、どこか受け入れない気持ちもありながら、それを抑えていたんだろうな。
33話を読むまでは、快く送り出したとしても不安や心配があるんだろうなくらいにしか思ってなかったけど、まさか死ぬことが解っていたなんて。
2話で「ワシはお前が傷つくのが嫌じゃ」と涙ながらに伝えたときは、どれほどの想いだっただろうか。墓地や病室でハロハロや自分の過去を語ってるときは、ハロハロの墓や窓の外を見てあまりコルレオの方を見て話してないのだが、このときはちゃんと面と向かって目を見て訴えかけてる。
ハロハロと重ねたというのも、マママにはコルレオが死ぬ未来が見えてしまってたことも影響したからだろうか。「ワシはお前が傷つくのが嫌じゃ」を言ったとき以外ほとんどコルレオの方を見ていなかったのは、コルレオの死をことを受け入れられなかったがために、見れなかったからだろうか。
また、「守るという行動には相応の自己犠牲が伴う」から「お前はどうだコルレオ? ワシはお前にハロハロの姿を重ねた」までのセリフは語気が強めで、それはマママがコルレオに本気度や覚悟を問うためだと思ってたけど、それだけでなくマママが息子を失う自身の恐怖を打ち消そうとしたり、恋人と同じように息子も失ってしまう覚悟を決める意味もあったのではないかと思う。それらのことも含めた心情が、わざわざ墓地にまで行って話をした理由なのかな。

ただ、マママのコルレオが傷ついてほしくないという想いは、コルレオが死ぬことを知った時よりずっと前からあったんだよね。それで、1話では軍に入ることに反対したり口論になったりしてた。だからより一層、マママのコルレオを失いたくない気持ち、これから失うことになるときの気持ちが、胸に刺さる。

「あんたが俺の母親で良かった」
4巻27話で、ハロハロの「(次の勇者は)うんと優しい勇者になるよ」という言葉を思い出して自分は「充分やれただろうか」とこれまでを振り返り、コルレオが消える直前には「何もしてやれなかった」と悔やむマママ。
最期に何て言えば顔を上げてくれるか思案して伝えた言葉は、コルレオの優しさに溢れている。
そして、それはマママが「充分やれた」ことの証明であり、これ以上ない最高の言葉である。

最期に笑った。コルレオの笑顔が見れて良かった。
この笑顔も、エヴァンに「違げェ」「別に不幸でも何でもねェよ!! ナメんな!!」 と言えたのも、マママへの最期の言葉を思いつくことができたのも、全部シトラスのおかげで自分が幸せだったことに気づけたからなんだよなあ。
コルレオはシトラスが誰かを助けることができる証明であり続けている。

No.34「シトラスは片思い」

1話でエヴァンの口からアイリーン、シン、グリシャ、彼らの名前が出たときから、登場を楽しみにしていた。
連載終了時にはもう彼らが描かれることはないかもしれない、描かれてもおまけページかなと思っていたが、追加エピソードのストーリーの中で彼らの姿を見ることが出来て良かった。
欲を言ってもいいなら、もっともっと彼らのことが見たかった。たった数ページしか描かれなかったけど、魅力感じるキャラだった。もっと見たいという部分は他にもたくさんあるけど、コルレオ周りに関しては今回の追加エピで大分補完されたのもあるから余計に。大人の姿の彼らも見たい。エヴァンとの会話もっと見たい。
けれども、限られた描写しかないからこその良さもあるよね。
それに、円満に完結したとしても、もっと読みたいって気持ちはどの作品でも出てくるよね。


アイリーンの屈託のない明るさが好き。今まで登場した勇者魔王は辛い過去や現状の問題による暗い心情も持ち合わせていたが、アイリーンからはそれらを全く感じない。子供らしい無邪気さが良い。
遊ぶ約束を破りかけていたエヴァンに腹を立てるアイリーンに対して、「エヴァンにも色々あるんだよ」「ガキかよお前は」って言うシンも良い。エヴァンを思いやりながらも、アイリーンに対してはちょっとトゲがある言い方で聞き分けるように促す。その後、言いあいになってるけど楽しそうな様子から、みんな仲良いのが伝わって微笑ましい。
もちろんシンもエヴァンと遊びたい(一緒にみかん食べたい)気持ちがあって、二人ともエヴァンのこと好きなのが好き。

グリシャは気になったことがいくつかある。
まず髪型。やっぱり、しっかり生えてたね。30話でエンドを唆したやつと髪が一致するから、中身は分からないけど、あいつはグリシャで確定かな。そのときすでに中身はおそらく偽物。コルレオにもエンドにも名前は何でも良いと言ってたから。
コルレオたちが戦ったグリシャの中身はエヴァンの発言やこれまでのグリシャの言動から、今回出てきたグリシャとは違うだろうし、おまけページには偽グリシャとはっきり書かれている。
けど、真グリシャの考えは偽グリシャと全く違うわけではなかったように思える。
グリシャは街で剣の練習を受けていたとあるが、力を求めていたのではないだろうか。
「君こそいいのか?まだこの村にいて」
このグリシャのエヴァンへの問いかけや
「いい 打算的なやつが嫌いなんだ 俺は選んでここにいる」
このエヴァンセリフのあとにエヴァンの紋章術に目をやる様子から、27話で明かされた偽グリシャの「母なる紋章という強大な力をもってるくせに、なにもしないなんて!」「夢を見ないやつはクソだ」というような考えに通じるものがあるように感じる。紋章に視線が向いた真意はなんだろうか。強大な力を持ちながら、それを利用しないエヴァンに対して、ほんの少しでも何か思うことがあったんじゃないかな。
また、メタ的な読み方にはなるが、エヴァンの言う「打算的なやつ」が偽グリシャに当てはまる。
他にも、その後での会話で「私は・・・」とグリシャのセリフが遮られたところも気がかりではある。
偽グリシャがグリシャの肉体を乗っ取り、グリシャを名乗ったのには何か理由があるはず。
偽グリシャのグリシャやエヴァンとの関係性が気になる。

次元警邏
タイムパトロール的な者たちがいて、偽グリシャもそれに携わっていたとおまけページで明かされた。
携わっていたということは、偽グリシャの本職(?)は次元警邏ではないということなのか?
偽グリシャは勇者の紋章術を持っていて、そのことについては何も触れられなかったが、どこかの世界の勇者だったのだろうか?

コルレオ世界を担当していた次元警邏はあいつだよね?!
1話で登場したカルナ大学法学部国際政策学科首席卒業の奴!
なぜか色々知ってた。


エヴァンの紋章術に関しては明かされなかったですね。先代の紋章術を全て使えるということは、先代勇者も複数の紋章術を持っていた?食わなくても寝なくても良い能力って何?ちょっと死屍累々っぽい。1話でエヴァンが見せたりコルレオが使用したりした紋章術も考えると、エヴァンの紋章術に関しては全くわからない。予想もつかない。

「いつか理性も何も無くなって…歯止めが効かなくなるんじゃないかって…」
グリシャに唆されたせいで、箍が外れたシトラスが正にそうだった。シトラスも「それでも自分の力を使ったら終わってしまう気がしたから」と考えていたんだけど。
母なる紋章を持つ魔勇自身がその恐ろしさを一番感じてる。ハロハロはどうだったのだろう?

エヴァンは自分の力を怖いと言うが、周りのみんなは全く気にしてない。
飯は食えてないけど、みんなとはみかん食べるんところから、エヴァンの彼らとの親密さや信頼感が見えてくる。
「別に普通かな」
エヴァンの穏やかでどことなく嬉しそうな表情や雰囲気に幸せを感じられる。

1話を読み返すと、アイリーン、シン、グリシャがエヴァンのことを呼ぶだけで、切なさや愛しさで胸がいっぱいになる。

1巻のおまけでエヴァンの好物は柑橘類だと記載されているが、このときはそうでもないみたい。
いつ好きになったんだろう?

「2歳のころ力が暴発して父を含む周りの人間を大勢殺した」
エヴァンは父親をすでに失っていた。34話冒頭でエヴァンに声をかけた人物は母親かどうか分からないけど、とりあえず父親は死んでいる。
林先生は意図的に魔々勇々を父親が登場しない物語にしていたのだろうか?
コルレオ、エリシア、ミネルヴァの父親について一切言及されておらず、モニカもエヴァンと同じように幼い頃に父親は死んでいる。

「俺はもう人ではない」
気づかずに踏み潰されるアリが不穏。
恐ろしく強大な力で、エヴァン以外の人間は、気づかずに踏み潰されるアリと同然になってしまうのだろう。

「いいや・・・別に・・・ささいな事だ」
少女の名前を気に掛けるが、ささいな事だと立ち去ろうとする。
闇に飲み込まれそうになる彼の脳裏によぎったのは、残留していた意識か、はたまた記憶か幻想か。
コルレオとの忘れないという約束を果たしていたのだろうか。
これでエヴァンは、勇む心を忘れることも、忘れようとすることもない。

「君の名前は?」
「シトラス」

精一杯のシトラスの返答。
この瞬間、2人の運命が変わった。世界に光が指した。

エヴァンがコルレオを思い出す?ところを読んで、単なるエヴァンの過去話ではないと気づく。
そして、エヴァンが名を聞き、シトラスが答えたところで、蝶が羽ばたく演出とともに世界が変わったことが明確になった。
その瞬間として最高の感動だった。

何度も読み返して気づいたのが、1コマ目のコルレオは、エヴァンを助けたコマと違ってジャケットを着ていない。どのシーンのコルレオ?

「またね シトラス」
「うん エヴァン!」

さりげないけど、互いに名前を呼び合った上で再会を期待してるのも心が温かくなる。
30話ではエヴァンともう一度会うことを心の支えにしたシトラスだが、その支えはより強固になった。
「抗いたい」と言ったエヴァンも、それに「私も」と言ったシトラスも、きっと大丈夫だと思えた。
コルレオと別れたエリシアたちと同様に、そう思えるラストで本当に良かった。

No.1「勇者になった日」

このツイートは、書き下ろし完結編(4巻の追加エピソード)を読んですぐに投稿したものです。
なぜ第一話に戻ったのかを考えてみたのですが、改めて読み返すと、少し強引な部分もあるかな。

私はシトラスが暴走しないエヴァン世界、エヴァンとエンドが来ないコルレオ世界、が新たに生まれた、あるいは曖昧な言い方になりますが、存在することになったのかなと考えてます。
個人的に、過去に巻き戻ったというのはあまりしっくり来ない。もしそうだとすると、エヴァンがコルレオに助けられるところを見たのは、未来が過去に影響を与えたことになるので、それがあまり納得できない感じ。まあ、それもあるかなとは思う。
また、コルレオとエヴァン以外の世界に関しては、エリシアやラルフたちは元の世界に戻っただけで、アリアシアやウルビダは生き返ったりしてないと思ってます。というか、他の人のツイートなどを見るまで、エリシアたちの世界も時間が巻き戻ったりしているとは全く考えていませんでした(便宜上、時間が巻き戻ったと書いてます)。確かにその可能性もありますが、サディコの説明の時点では帰還することしか読み取れなかったのでね。それに、時間が巻き戻ったりせずに元の世界に戻っても、エリシアたちはきっと大丈夫。どんな困難も乗り越えて行ける。

様々な解釈があると思うので、もっと他の人の感想や考察が読みたい。
けど、結局これっていう ただ一つの答えはないんですよね。
また、色々考えてはみましたが、非現実的で不確かで曖昧な事象・現象に理屈や整合性を求めることはできないし、必要はないとも思います。
これも神のみぞ知ること。

2回目の第一話を読んで思ったのは、コルレオは初めからコルレオで勇者だったんだなということ。
2回目の1話でコルレオは何も変わってなくて、変わったのはマママと魔人の子。
コルレオはこの時すでに、強くて優しくて、勇む心をもって、仲間に恵まれる勇者だった。

「ありがとう」
シトラスが蝶になったかどうかなどは置いといて、この「ありがとう」はシトラスの想いだと思います。
31話で伝わったけど、言い切ることができなかった感謝を伝えられた。

まとめ

魔々勇々、ありがとう。
魔々勇々を忘れない。
約束!

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